思い出
ミッキーがいなく
なってから一ヶ月が
過ぎた
ミッキーは原っぱに行くと決まって
背中を下にバタンバタンと
転がって見せた
裏が通学路になっているため
見知らぬ学生が「ミッキーおはよう」って
よく声をかけながら通っていった
近所の親子連れも、小さいお子さんに
ミッキーだったら吠えないし
噛み付いたりしないからって
いつも一緒に遊んでもらっていた
私が山で遅くなった時も
朝早く出かける時も
何にも言わずに チャリチャリ
と首輪の音を立てながら
ハウスから出てきてくれた
雷が怖くて、いきなり稲妻が
走った時などは人間のように
立ち上がって震えながら
私に抱きついてきた時もあった
怪しいセールスの人にさえ尾っぽを
振って遊んでもらっていたので
一度叱ったことがあったが
その次も、またその次もまったく
同じように遊んでもらっていた
・・・・
ミッキーの方がはるかに
できている
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