国際山岳ガイドのブログ

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2018/07/03

谷川岳一ノ倉沢/中央稜

谷川岳は双耳峰でトマの耳・オキの耳と呼ばれているが、その昔トマの耳は薬師岳・オキの耳は谷川富士と呼ばれていたそうだ。そして谷川岳という名は隣の俎嵒/マナイタグラに与えられていたようだ。今はこのトマの耳・オキの耳や一ノ倉岳も含め全体的に「谷川岳」と呼ばれている。

一ノ倉沢は日本三大岩場の一つでもあり、そのど真ん中にあるテールリッジから直線的に走っている中央稜は烏帽子奥壁と衝立岩との境目でもあるリッジだ。私はかれこれ100回以上は登っていると思うが今だに毎回緊張する。その昔残雪期には一ノ倉沢出合からテールリッジを登り中央稜の取り付きまでは45分と決まっていた。1時間を超えるようだったら「またおいで」という感じだ。もちろん今は山岳ガイドなので疲れを溜めないという意味でも逆に1時間以上は必ず掛けるようにしている。

谷川岳ロープウェイの駐車場を朝5時から歩き始め、1カーブ曲がって登ると「谷川岳登山指導センター」がありここで計画書を出していくのだが、これは県条例で決まっているので出さなければ条例違反として行政処分を受ける。今ここの所長は古くから馴染みのマコトさんだ。この日は若い隊員が幽ノ沢/中芝新道近くの草刈りらしく、草刈機を積んだ軽トラックがこの時間すでに止まっていた。登山指導センターの人が見えないところで登山道をしっかりと整備をしてくれているのだ。挨拶をすませ計画書を渡し一ノ倉沢出合まで約一時間半の道のりを歩き始める。

一ノ倉沢出合にはまだ雪渓がいっぱい。軽アイゼンを装着し弱点をついて登って行くのだが今日はまだ誰も見ない、後で分かったことだが今日は私たちを含め3パーティのみ、中央稜に関しては我々のパーティだけで貸切状態、周りに気を使うことなくとても気持ちよく登ることができた。

周囲にはまだ雪渓が残っているせいか、登り終わった時に感じる心地よい風がひんやりとしていて労を癒してくれる。烏帽子の麓で味わう非日常的なこの瞬間がたまらない。

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投稿時刻 13:14 ひとりごと, エッセイ | 個別ページ

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